中国の祝融ローバー、火星にかつて海があった一番強い証拠を見つける

著者
H Hao
8 分読み

火星で古代の海を発見!中国の探査車「祝融」が宇宙探査に革命


新たなレーダーデータが火星の海の存在を強く示唆

中国の探査車「祝融(Zhurong)」が、火星の中緯度に広大な海が存在した可能性を示す画期的な証拠を発見しました。地中レーダーを使って、ユートピア平原の地下に、地球の海岸で見られる堆積物と非常によく似た、層状になった傾斜のある堆積構造を発見したのです。この発見は、2025年2月25日に米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載され、火星がかつて温暖で、液体の水が豊富に存在した可能性を強く裏付けています。

数十年にわたり、科学者たちは火星のなだらかな北部の低地にかつて海が存在したのか議論してきました。過去の研究で、海岸線や流出路の可能性が指摘されましたが、直接的な地質学的証拠がなかったため、この説は未解決のままでした。今回の祝融による発見は、この考えを裏付ける最初の地下証拠であり、惑星科学における重要な転換点となります。


発見の科学的背景

祝融は2021年5月、かつての海岸線である可能性が指摘されていたユートピア平原の南部に着陸しました。中国科学院が開発した探査車のレーダーシステムは、地表下10~35メートルの深さを探査し、波の作用や潮汐によって形成された地球の海岸堆積層と非常によく似た地質構造である傾斜した反射体を広範囲に検出しました。

幅1.3キロメートルの範囲で、合計76個もの構造が検出されました。これらの層は、一貫して6°から20°(平均14.5°)の角度で北部の低い平野に向かって傾斜していました。地球上でも同様のパターンは、長期間にわたる水の作用による堆積と関連付けられており、風によって形成された砂丘、溶岩流、河川の三角州といった別の説明を排除しています。堆積物の誘電特性は、地球の海岸堆積物と同程度の、きめ細かい砂粒からなる組成を示しています。

この証拠は、火星にかつて氷の融解や大規模な洪水による一時的な水域ではなく、安定して長期間存在した海があり、数百万年にわたってその地形を形成したことを示唆しています。これは、火星の気候が温暖で生命居住可能であった期間に関する従来の推定に異議を唱え、液体の水が以前考えられていたよりもはるかに長く存在した可能性を示唆しています。


この発見の重要性

1. 将来の火星ミッションのための水資源

もし火星の古代の海が広大な堆積層を形成していたとしたら、地下の貯水池には大量の水が残っている可能性があります。採掘や処理に莫大なエネルギーを必要とする極地の氷冠とは異なり、中緯度の地下水堆積物は、将来の火星ミッションにとってよりアクセスしやすい可能性があります。これにより、火星に人類が居住するためのロジスティクスコストが削減されます。

2. 宇宙生物学への影響

地球の沿岸環境は、生命の誕生において重要な役割を果たし、化学的、生物学的プロセスが活発に行われる陸と海の間のダイナミックな界面を提供しました。もし火星にも同様の条件が存在したとすれば、古代の海岸線は、保存された生命の痕跡を探すのに最適な場所かもしれません。この発見は、宇宙生物学的探査の焦点を、孤立した湖底や河川流域から、より大規模な海洋環境へと移します。

3. 投資と商業宇宙の展望

この発見は、火星探査への投資を加速させるでしょう。SpaceXの火星植民地化という長期的なビジョン、NASAのアルテミス計画による月を経由した火星へのロードマップ、そして中国自身の火星基地建設の野望はすべて、より温暖な地域における水資源の可能性から恩恵を受ける可能性があります。その場資源利用(ISRU)、水抽出技術、宇宙居住システムに関わる企業は、今回の発見を受けて関心と資金が増加する可能性があります。

さらに、商業宇宙セクターを追跡している投資家にとって、この発見はロボット探査の価値を改めて示すものです。中国が自国で開発した探査車で画期的な惑星科学研究を行う能力は、同国を新たな宇宙開発競争における手ごわい競争相手として位置づけています。


未解決の疑問と今後のステップ

この画期的な発見にもかかわらず、重要な疑問が残っています。火星には実際にどれくらいの水が存在したのか、そしてその水はどこへ行ったのか?海は塩水だったのか、淡水だったのか?そして最も重要なこととして、火星はかつてこれらの古代の海で微生物生命を宿していたのか?

中国が計画している火星サンプルリターンミッションや、NASAのパーサヴィアランスによる継続的な探査、そして今後のマーズ・アイス・マッパーなど、今後のミッションは、これらの不確実性を解決する上で不可欠となるでしょう。さらに、SpaceXやBlue Originのような商業団体が火星に目を向けていることから、今回の発見は、今後10年間の惑星間探査の方向性を決定する上で重要な役割を果たす可能性があります。

今のところ、祝融の発見は、火星がかつて赤い惑星だけでなく、青い惑星でもあったことを示す最も強力な証拠となっています。

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