NVIDIAのすごい決算:AIのおかげで大きく成長、でも危ないことも?
歴史に残る四半期
NVIDIAは、テクノロジー業界でこれまでになかったくらい、すごい決算を発表しました。2025年度の第4四半期では、売上が393億ドルと過去最高になり、去年に比べて78%も増えました。1年間の売上は1305億ドルで、去年の2倍です。これはAIの人気がすごく高まっているおかげで、特にデータセンターの売上が93%も増えて356億ドルになりました。数字はすごいですが、AIに頼りすぎているとも言えます。今は良いけど、危ないこともあります。
数字を見てみよう:AIがすごい
データセンターが強い
- 第4四半期のデータセンターの売上: 356億ドル (前の四半期より16%増、去年より93%増)
- 1年間のデータセンターの売上: 1152億ドル (去年より142%増)
NVIDIAのAIを使ったデータセンターが、成長の一番の理由なのは間違いありません。会社やクラウドサービスがAIをどんどん使おうとしているので、NVIDIAのH100や次のBlackwellというAIチップがすごく売れています。でも、AIにお金を使いすぎると、いつか売れなくなったり、他の会社に負けたり、景気が悪くなったりするかもしれません。
他の事業はあまり伸びていない
- ゲーム: 25億ドル (前の四半期より22%減、去年より11%減) – あまり売れなくなってきています。
- プロ向けの映像: 5億1100万ドル (前の四半期より5%増、去年より10%増) – 少しずつ伸びていますが、データセンターに比べると少ないです。
- 自動車とロボット: 5億7000万ドル (前の四半期より27%増、去年より103%増) – すごく伸びていますが、全体の売上から見ると少しです。
NVIDIAのAIデータセンターはすごく売れていますが、ゲームなどはあまり売れていません。つまり、NVIDIAは色々なものを作っている会社ではなく、AIの会社になったということです。
ちょっと変なところと、気を付けること
GAAPとNon-GAAPのEPSが同じなのはなぜ?
今回の決算で一番おかしいのは、第4四半期のGAAPとNon-GAAPの1株あたりの利益が0.89ドルで同じだったことです。普通は、Non-GAAPは株で給料を払ったり、会社を買ったりするお金を引いて計算します。同じということは、
- 第4四半期は株で給料を払うお金が少なかった。NVIDIAは人をたくさん雇っているので、これはおかしいです。
- GAAPを調整してお金を引いた。つまり、いつも引くお金をなくすようなことがあったのかもしれません。
- NVIDIAの決算をもっと詳しく調べる必要があります。今回だけなのか、これからずっとこうなのかを調べる必要があります。
少しだけ利益が減っている:コストが上がっている?
- GAAPの売上総利益率: 73.0% (前の四半期より0.2%減、去年より0.3%減)
- Non-GAAPの売上総利益率: 73.5% (前の四半期より0.2%減、去年より0.3%減)
まだ高い水準ですが、NVIDIAの利益が少し減っています。理由は、
- 売れているものが変わった。AIチップは売れているけど、少しだけ利益が少ないのかもしれません。
- 部品の値段が上がった。
- 他の会社が安く売ろうとしている。でも、NVIDIAのAIチップは一番なので、まだ大丈夫だと思います。
これからどうする?NVIDIAの戦略
1. "Blackwell" アーキテクチャ:次の成長のエンジン
NVIDIAのCEOであるジェンスン・フアンは、BlackwellというAIスーパーコンピューターがすでに何十億ドルも売れていると言いました。BlackwellはAIの学習をもっと早くできるようにして、NVIDIAが一番になるようにします。でも、お客さんが買ってくれるかどうかや、AIがどんどん使われるかどうかにかかっています。
2. AIのパートナーシップとエコシステムの拡大
NVIDIAは、AWS、Cisco、トヨタ、現代自動車などと協力して、色々な会社やクラウドサービスにAIを広めようとしています。これは、
- 色々な産業でAIを使ってもらうため。
- NVIDIAのCUDAというソフトを使ってもらって、お客さんを逃がさないため。
- チップを売るだけでなく、ソフトやサービスでも稼ぐため。
3. AIとデータセンターに頼りすぎ:強いのか、弱いのか?
次の四半期の売上は**430億ドル(前の四半期より9%増)**になると予想されていますが、これはAIが売れ続けることが前提です。NVIDIAの成長の90%以上がAIなので、クラウドサービスがお金を使わなくなったり、技術が変わったり、法律が変わったりすると、危ないことになります。
心配なこと:値段が高すぎる、競争が激しい、政治的に不安定
1. NVIDIAの株価は高すぎる?
PER(株価収益率)が50を超えているので、AIのおかげでNVIDIAの株価が高すぎるのではないかという人もいます。AIがあまり使われなくなったり、他の会社が良いものを作ったりすると、NVIDIAの株価は大きく下がるかもしれません。
2. 競争が激しくなり、技術が変わる
- DeepSeekのような中国のAIスタートアップは、NVIDIAのチップをあまり使わなくても良いAIを作っています。
- Microsoft、Google、Amazonは、自分でAIチップを作ろうとしています。NVIDIAのクラウドでの強さがなくなるかもしれません。
- AMDやIntelもAIチップを作っていますが、まだNVIDIAには追いついていません。
3. 政治や法律が不安定
- アメリカが中国に高性能AIチップを売るのを禁止すると、NVIDIAの売上が減るかもしれません。
- チップを作るTSMCに頼っているので、アメリカと中国の関係が悪くなると、チップが手に入らなくなるかもしれません。
- NVIDIAが強すぎるので、法律で厳しく見られるかもしれません。
NVIDIAの成長は危ない?
NVIDIAはAIで一番強い会社だと思われていますが、NVIDIAの未来はAIにお金が使われるかどうかにかかっています。今はすごく成長していますが、長い目で見ると危ないこともあります。
- AIにお金を使わなくなると: クラウドサービスや会社がAIにお金を使わなくなると、NVIDIAの売上が大きく減るかもしれません。
- 法律が変わると: 輸出が禁止されたり、法律で厳しく見られたりすると、成長が止まるかもしれません。
- 他の会社が強くなると: 他の会社が良いAIを作ると、NVIDIAのチップの値段を高くできなくなるかもしれません。
今はAIでお金を稼ぐチャンスで、NVIDIAはその中心にいます。でも、テクノロジーでお金持ちになった会社はずっと続くわけではありません。NVIDIAが成長し続けるかどうかではなく、今のペースで成長し続けられるかどうかが問題です。株を買う人は、応援しながらも、危ないことが起こるかもしれないことに気を付けておくべきです。